オプトイン規制とメルマガ配信

#本記事に記載の内容はあくまでも個人的な見解に過ぎません。実際の法解釈は、法律の専門家か、関係省庁に問い合わせた方が良いでしょう。

お客様への情報提供を目的として、メルマガ配信を開始しようとしています。
12/1からオプトイン規制なるものが始ったばかりですので、なんともまあ、間の悪い感じがするのですが、ともかくがんばってみようと思っています。

取引先のお客様へ、事前の同意なしにメールを送っていいものか大変気になるところです。

色々調べてみるとオプトイン規制に関連する法律は、次の二つのようです。
  1. 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)
  2. 特定商取引に関する法律 (特定商取引法)

特定電子メール法の条文
総務省ガイドライン(PDF)総務省のパンフレット(PDF)によると、
  1. 広告宣伝メールの規制に関し、取引関係にある者への送信など一定の場合を除き、あらかじめ送信に同意した者に対してのみ送信を認める方式(いわゆる「オプトイン方式」)を導入する。
  2. あらかじめ送信に同意した者等から広告宣伝メールの受信拒否の通知を受けたときは以後の送信をしてはならないこととする。
  3. 広告宣伝メールを送信するに当たり、送信者の氏名・名称や受信拒否の連絡先となる電子メールアドレス・URL等を表示することとする。
  4. 同意を証する記録の保存に関する規定を設ける。
といったことが義務化されました。ただし、以下の様に同意なしに送信できる例外があります。
  1. 取引関係にある者に送信する場合
  2. 名刺などの書面により自己の電子メールアドレスを通知した者に対して送信する場合
  3. 自己の電子メールアドレスを通知した者に対して、以下の広告宣伝メールを送る場合
    • 同意の確認するための電子メール
    • 契約や取引の履行に関する事項を通知する電子メールであって、付随的に広告宣伝が行われているもの
    • フリーメールサービスを用いた電子メールであって、付随的に広告宣伝が行われているもの
  4. 自己の電子メールアドレスをインターネットで公表している者(個人の場合は、営業を営む場合の個人に限る。)に送信する場合

その一方で特定商取引法では、以下のようになっています。(経済産業省のパンフレット(PDF)より抜粋。条文はこちらから)
  1. 消費者が事業者からの電子メール広告の送信を事前に承諾しない限り、電子メール広告の送信を原則的に禁止する「オプトイン規制」を導入します。
  2. 消費者からの承諾に基づいて電子メール広告を送信する場合には、当該広告メールには、消費者が電子メール広告の提供を受けない旨の意思を表示するために必要な事項の表示を義務づけ、消費者が拒絶の意思表示をした場合には、電子メール広告の送信を禁止します。
  3. オプトイン規制の実効性を確保するために、消費者からの請求や承諾に関する記録を作成し保存することを事業者に義務づけます。
未承諾の電子メール広告が許容される場合について
  1. 消費者の請求に基づき電子メール広告をするとき
  2. 消費者に対し、契約の内容や契約履行に関する事項を通知する場合に、電子メール広告をするとき
  3. 事業者と消費者が既に取引関係にあって、その取引を円滑に進めるための連絡を電子メールで行う場合、例えば、消費者に送る受注確認メールや発送完了メールの中に事業者の商品の宣伝が入っているようなケースです。
  4. 電子メール広告の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められるケース

当社のメルマガは、名刺交換させていただいた方や、継続的に取引関係にあるお客様を中心にお送りする予定です。会社のWEBページ上にも、登録フォームを付けています。

特定電子メール法、特定商取引法とどちらが適用されるのかで対応が異なってしまいます。
すなわち特定電子メール法であれば、名刺を頂いた方や、継続的な取引先にメルマガを送ることは許されそうですが、特定商取引法の場合だとそういう方に対しても配信の同意を個別に取らなくてはいけないことになります。

経済産業省が運営する消費生活安全ガイドによると、特定商取引法は以下に挙げる消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象にしているとのことです。
  • 訪問販売
  • 通信販売
  • 電話勧誘販売
  • 連鎖販売取引
  • 特定継続的役務提供
  • 業務提供誘引販売取引
当社の場合は通信販売が関連するかも知れません。

それから特定商取引法が適用されるかどうかは、メルマガの配信先が”消費者”かどうかによっても決まると思いますが、特定商取引法自体では消費者の定義はされてはおりません。

消費者関連の法律で、基本的な部分となる消費者契約法では、
第二条この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。
と、定められています。

さらに、このページによると、
「消費者」という言葉の定義が初めて日本の実定法上に登場したのが「消費者契約法」であった。同法は「この法律において『消費者』とは、個人(事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く)をいう」と定義しており、この「消費者」の定義がそのまま電子消費者契約特例法にも使用されるなど、以後の関連法律でも踏襲される可能性が高い。
ということらしいです。

弊社は法人相手のビジネスが主ですので、特定商取引法の対象には当たらないと考えて差し支えないでしょう。

法律の解釈は私のような素人には難しいのですが、財団法人インターネット協会の改正迷惑メール対策法に関するQ&Aのページが大変参考になります。

その中の記載によると、次のような記載があります。

■ B2Bの(セミナー開催といった)案内メールは規制の対象外でしょうか?
■ B2Bで広告・宣伝メールを送信する行為は規制対象となりますか?

特商法は基本的に消費者を保護するための法律ですので、原則として事業者間取引(B2B)の電子メールは対象外となります。ただし、連鎖販売取引(いわゆる、マルチ商法など)の場合は対象となります。

一方、特電法では、平成17年の改正以降は事業者向けのメールも規制対象としています。


以上の調べ物のすえ到達した結論は、
  • 当社のビジネスは、法人むけなので、特定商取引法は対象外である。
また特定電子メール法によれば、
  • 名刺交換した相手であれば、メールを送信しても問題ない。
  • 名刺交換していない、相手には、個別に同意を取る必要がある。
  • いずれの場合も、配信解除の意思表示があった場合には、それ以降の配信を行ってはならない。
  • 配信の同意の記録を一年間保存する必要がある。
ということを遵守すべきである。

以上、自社の視点のみでの考察ですが、ご参考になりますでしょうか?

コメント